一般社団法人 全日本カイロプラクティック学会
山崎善秀 吉野俊司 松本吉正 長尾正博 松本清香

【目的】

当院ではカイロプラクティック後、身体が元の悪い状態に戻らないよう次回来院までの間に効果を継続出来る簡単な運動指導をすることがある。今回、当院考案のストレッチ&エクササイズ(以下S&E)を1日数回行うことで、カイロプラクティックの効果が継続され全身症状が改善された一症例を報告する。

【方法】

Yさん、46才、女性、職業は精密機械組立。主訴は右後背部痛。X年12月、ピリッとした痛みが右後背部に走り、右頸部、右腰部にも筋肉の張りと痛みがあり当院に来院した。疼痛評価にVAS値を用い、肩関節外転及び上体の回旋角度を計測した。施術前、右後背部VAS80、右頸部VAS60、右腰部VAS50、右肩外転角度100°、上体が右回旋10°、右上腕が軽度内旋していた。仕事などの生活環境の中で全身バランスが崩れることが症状の原因に成り得ると考え、神経筋骨格系の障害を診断、治療、予防するカイロプラクティックを行うこととした。

【結果】

全身バランス調整(筋肉と骨格の均整がとれている解剖学的肢位に近づける)のためカイロプラクティックを行った。施術後、右後背部VAS30、右頸部VAS30、右腰部VAS20、右肩外転角度160°、上体の右回旋0°、右上腕の内旋も改善した。症状の再発防止を目的に上体の関節可動域を整えるS&Eを1日3~5回行う指導をした。その後、背部痛の予兆時にS&Eを行うことで施術の効果は継続されている。

【結論】

カイロプラクティック診断により、仕事などの生活環境の中で全身バランスが崩れ、症状の原因になったと考える。上体の右回旋と右上腕の内旋が改善されたことで右後背部、右頸部、右腰部痛が改善されたと考える。カイロプラクティックによる神経筋骨格系の調整と併用し、簡単に出来るS&Eを1日数回行うことが施術効果の維持に繋がったと考える。また、施術者と利用者との接触回数が軽減することからCOVID-19対策にも貢献できると考える。本症例よりカイロプラクティックの効果が1日数回行うS&Eで継続した可能性がある。