一般社団法人 全日本カイロプラクティック学会
◎吉野俊司 松本吉正 長尾正博 山崎善秀

目的

 COVID-19(以下コロナ)後遺症の喘息症状にカイロプラクティックが有効だった一症例を報告する。

方法

 Sさん、女性、26歳、保健師、主訴は喘息症状。
X-1年12月末にコロナに感染。1か月後から喘息症状(吐き気を催すほどの咳と、それに伴う息がヒューヒュー鳴る状態)が出はじめた。病院でレントゲン検査にてコロナ後遺症特有の粒状影が出たため、コロナ後遺症の喘息という診断を受け、当初は痰切内服薬で症状がやや軽減したものの改善には程遠かったため、喘息治療配合剤の吸入も開始したが喘息症状が治まらなかった。
X年5月の当院受診時、薬で症状は軽減しているが、朝晩の喘息症状が治まらなかったため、喘息症状改善を目的に施術開始。
カイロプラクティック診断により、上部胸椎のズレから胸郭が歪み、肋骨の可動が制限され、呼吸器へ影響が出たと判断。既往症の軽度の脊柱側弯症の影響も考えられる。
評価には、喘息症状(吐き気を催す咳とヒューヒュー鳴る息)の有無を用いた。
治療は、全身のバランス修正、特に軽度の側弯を構成するT2およびT9と、可動域が制限された肋骨の矯正による胸郭の回復を目的にカイロプラクティックを週1回で行った。

結果

初回施術直後、呼吸が楽になり、喘息症状は無くなった。5週目までは、軽い咳が出た。6週目は軽い咳もほぼ無くなり、7、8週目は咳が出なかった。

結論

コロナの感染による発熱では身体が弛緩した状態で長く床に臥せていることが多くなることで背骨が歪み、肋骨の可動制限による影響で気道が緊張し狭くなり、刺激に敏感になったと考える。
コロナの後遺症の中にはこのような場合もあるのではないかと考える。
本症例におけるコロナの後遺症と診断された喘息症状の改善にカイロプラクティックが有効である可能性がある。