一般社団法人全日本カイロプラクティック学会
吉野俊司 松本吉正 大槻佳広 長尾正博
目的
カイロプラクティックで変形性膝関節症に伴う痛みが軽減した一症例を報告すること。
現病歴
64歳女性 介護職 主訴は左膝の強い痛み。3年程前から時々痛みを感じていたが、来院10日前から激痛になった。立位でも強く痛むことから、仕事にも支障が出ている。来院4日前の整形外科受診で左膝が変形性膝関節症と診断され、関節液を抜いている。
所見・評価
左寛骨が後下方に変位し、左重心を作っている。胸椎7番から右回旋となっていた。左膝痛は、左重心および、胸部の回旋により左膝への負担が増えたと考えた。
評価は、VAS値を用いた。
治療・経過
カイロプラクティック検査により胸椎7番をサブラクセーションとし施術した。初回施術前VAS=100、胸椎7番施術後VAS=50、膝関節の施術後VAS=15に減少した。胸椎部の回旋修正を目的に体操を指導した。4日後、施術前VAS=30、施術後VAS=10。1週間後、施術前VAS=0、違和感あり。その後、施術頻度を月1回にした。施術前がVAS=25~40、施術後VAS=0~20。
考察
施術で痛みが減少した結果から、胸椎回旋からくる重心移動が左膝変形部位の負担を増大させたことで強い炎症を誘発したと考える。
関節の変形の有無にかかわらず、カイロプラクティックで痛みを減少できる可能性があると考える。
結論
変形性膝関節症に伴う痛みは、カイロプラクティックを受けたことにより姿勢の歪みが修正される結果として、改善する可能性がある。
- 投稿タグ
- カイロプラクティック, 変形性膝関節症, 抄録, 統合医療