森田全紀 松本清香

目的

生理痛に対してカイロプラクティック介入による症状の軽減例を示す。

方法

2012年4月1日から2013年3月31日までに、当院利用者で、生理痛がある46名の年齢14才~48才(平均年齢29歳)までの女性に対し、カイロプラクティック的診断、神経学的検査、徒手検査を行い、形態的機能的問題を判断し、腰仙部のひずみやねじれによる神経の圧迫が考えられる部位に対してカイロプラクティックを行った。痛みの効果判定にはVAS(今まで感じた最大の痛みを100とする)を用いて評価した。

結果

46名中32名に治療前にVAS値80~40の人が治療後はVAS値30~0の数値に軽減され、生理痛症状の改善・軽減が見られた。残り14名の人は、VASの数値に変化が見られなかった。

考察

カイロプラクティックでは、腰仙部のひずみやねじれにより生理痛が生じる一つの要因と考えられている。その為、形態的、機能的に異常が起こっている腰仙部に施術を行うことで生理痛の緩和に結び付いたと考えられる。骨盤のねじれや骨盤周辺の筋肉の不均衡を正常化することによって生理痛が改善され、患者の精神的、肉体的負担が軽減されると考えられる。生理痛は個々で感じ方が違い、寝込むほど重い症状の人と軽い症状の人とでは、カイロプラクティックの介入による効果が表れるまでの期間が違うとも考えられる。今後、継続した調査が必要であると考察する。

結論

生理痛に対して、カイロプラクティックのみで32名の改善が見られた。残り14名は本調査中での改善が不十分であるとわかった。今後は、他の医療・CAMとの連携も視野に入れることで、女性特有の賞状から少しでも早く女性が解放されることが望まれる。