吉田晃仁 松本吉正 松本清香 岡庭麻友子 森田全紀

背景

東日本大震災による避難所では、多くのCAMによる支援が行われた。中には医師が待機している保健室が設置されているひな所もあったが、保健室を利用せずにカイロプラクティックなどのCAMを訪れた被災者が多くいた。

目的

避難所におけるカイロプラクティックの問診を通じて避難所の被災者を取り巻く現状を報告すること。

方法

2011年6月5日から2,012年8月31日にかけて、一時避難所である埼玉県加須市旧騎西高校避難所で、双葉町町民126人を対象に、のべ632人のカイロプラクティックの問診を通じて施術を行った。その際、問診時において「あなたの症状はどこか病院や保健室に相談しましたか?」の問いに「いいえ」と答えた群と「はい」と答えた群で内容を検討した。

結果

「いいえ」と回答した群の返答内容としては、「しばらく様子をみてた」「美香氏怪我、手術をしているから悪いのは仕方ない」「寝方などが悪く身体が歪んでいると思う」「年だからしょうがない」「医者に見せるほどではない」「どこの病院に行けばよいか解らない」「受診してもシップと痛み止めだと思うから」「診断が怖い」「言いづらそうに無言」などがあった。「はい」と答えた群の返答内容は、「とても辛かった」「夜も寝れなかった」「つらい日が続いた」などであった。

考察

「いいえ」と回答した群では、単に保健室を使用したくない理由だけでなく、保健室よりもCAMのほうが身近で気軽に利用をしやすく相談できることが、保健室に相談に行かなかった要因として考えられる。CAMは被災者の健康全般の問題において早期発見、早期改善につながり、被災後のストレス問題の対応に早期に貢献できる可能性があると考えられる。「はい」と答えた群では、避難所生活において不眠などの耐え難い症状をきたしていることが、保健室を利用する要因として考えられる。

結論

CAMの役割は、被災者の健康全般の問題において早期に対応できる。今後医療従事者とCAMが連携し、被災者の情報を教烏有できることが被災者のQOLの向上に貢献できると思われる。