社)全日本カイロプラクティック学会
森田全紀、松本吉正、松本清香

【背景】

カイロプラクティックという言葉は、ギリシャ語のChiro(手)とPrakticos(技術)を組合せた言葉である。
米国で誕生したカイロプラクティックは留学から帰国した日本人により紹介された。その紹介は学習した大学などに準じている為、日本の業界での統一的な定義はされていない。

【目的】

用語を整理する最初の段階として“カイロプラクティック”を考える。

【方法】

日本で紹介されている10文献からカイロプラクティックの説明を抜き出し、整理する。
①カイロプラクティックの基礎教育と安全性に関するWHOガイドライン、②カイロプラクティック・テクニックシステム、③カイロプラクティック・テクニック総覧、④カイロプラクティック総覧、⑤カイロプラクティックマニュアル脊柱編、⑥カイロプラクティックセオリーズ その科学的検証など。

【結果】

①で中塚らは「神経筋骨格系の障害とそれが及ぼす健康全般への影響を診断、治療、予防する専門職であり、関節アジャストメントおよび/もしくはマニピュレーションを含む徒手治療を特徴とし、特にサブラクセーションに注目する。」と記している。
②で伊藤らは「カイロプラクティックとは職業のことであり、治療手法のことではない。 」と記している。
③で竹谷内らは「カイロプラクティックは、運動器系、特に脊柱と骨盤の静態、動態に関して、機能障害、構造異常、疼痛症候群 神経生理学的作用の面から病因、診断、治療、予防を行う科学的な治療技術である」と記している。

【考察】

“カイロプラクティック”を調べると様々な意味があり、統一されていないように見える。今後、カイロプラクティック業界が将来的に資格化などの問題への対応を考えるなら、統一的な概念を持つことが必要であると考える。

【結語】

カイロプラクティックの用語の意味は、多様であり、統一されていない。