吉野俊司、松本吉正、小野久弥

目的

 統合医療において、カイロプラクティックがどのように関わることができるかを提案する。

方法

 2013年8月5日~10日の期間、Pubmed(米国国立医学図書館の国立生物工学情報センターが運営する医学・生物学分野の学術文献検索)を用いカイロプラクティックの関節可動域に関する症例報告・研究論文を検索し、その検索結果からカイロプラクティックの統合医療における関わり方を検討した。

結果

 カイロプラクティックの症例報告や論文では、スポーツのパフォーマンス向上や関節可動域を改善するものが多々見受けられることから1.運動機能・姿勢バランスの改善2.病床あるいは検査時の姿勢保持・体位変換改善3.肉体的ストレス・精神的ストレスからくる筋緊張の緩和4.リハビリ・トレーニングの取り組み・効果促進、以上4つの貢献できるケースが検討できた。

考察

 統合医療では、各医療が持つ特徴を連携させていく「共同医療」という考えがある。しかし、その実現には各医療のみならず、利用者・患者の協力が不可欠である。カイロプラクティックは、関節の運動性や姿勢改善が可能であり、この部分での貢献が期待できる。結果の2で例を挙げると、病院内で検査・治療の際、特定の姿勢が難しいために苦痛を感じている患者は、カイロプラクティックによって関節可動域を広げることで、検査・治療に対する苦痛の軽減から患者の協力・治療効果向上につながると考える。今後は、神経機能の改善からくる役割も提案していきたい。

結語

 カイロプラクティックは、統合医療において、関節の運動機能を回復させることで各治療利用者や患者の苦痛を軽減し、統合医療の効果をより高めることが可能である。