松本清香 森田全紀 小山尚
目的
糖尿病壊疽は、一般的に血管障害、神経障害、抵抗力の低下の要因が複合して壊疽を起こすと言われている。糖尿病壊疽治療に対してカイロプラクティックの効果が見られた症例を報告する。
症例
63歳男性。主訴は糖尿病壊疽。
現病歴
30歳代より2型糖尿病を発症した。電気アンカを利用し足底部に低温やけどによる500円玉程の水泡が出来る。水泡から化膿し足底部全体となり、徒歩で総合病院を受診した。
所見
医師より「糖尿病壊疽による、右大腿部切断、左下腿部切断だが高血糖の為即切断は不可能である。」と診断が出た。患者よりカイロプラクティックによる切断回避を頼まれ、血流、神経障害の改善を目的にカイロプラクティックを開始した。
経過
初診時血糖値が600以上の為、「右大腿部切断、非d理下腿部切断」即悦団は不可能であった。西洋医学的処置は、インシュリン注射と食事療法による血糖管理と患部の消毒を行った。血糖値は、2か月で300台、3か月で160~200と降下した。カイロプラクティックは、カイロプラクティックは、入院11日目より、関節可動域増大及び足関節足根骨周囲の血流、神経障害改善を目的に、毎日30分実施した。4か月後医師より「両足ともに切断は不要」と診断が出た。
考察
所見は「切断」であった。しかし、医療的処置、看護師による日々の励ましで本人の直す意識が向上したこと。そこにカイロプラクティックによる血流や神経への介入を付加する事で、自足歩行が可能となり患者のQOL向上に貢献できたと考える。
結語
カイロプラクティックによる自律神経への介入は糖尿病壊疽の原因である血管障害、神経障害に有効と考えられる。
しかし日本では西洋医学とカイロプラクティックの併用は認知されていない。今回の症例から西洋医学と共にカイロプラクティックの併用による有効性が示唆された。
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- カイロプラクティック, 糖尿病壊疽, 統合医療