一般社団法人 全日本カイロプラクティック学会
松本吉正 松本清香 吉野俊司 長尾正博 山崎善秀
【目的】
カイロプラクティックは根治根本療法と言われるが、根治が難しい疾患において、症状を緩和させる対処療法的な効果を期待し施術をすることがある。
カイロプラクティックで、ベーチェット病で起こる結節性紅斑様皮疹と関節炎による疼痛の緩和に著効を示した1症例を報告する。
【方法】
Oさん 40代 男性 職業:整備士。
X-15年、交通事故で意識不明の重体となり、半身不随を宣告。懸命のリハビリで、動けるようになった頃から、関節痛、発熱、皮疹などが起こり、ベーチェット病の診断。現在の処置はヒューミラー自己注射、コルヒチン投薬など。医師からは薬はあまり効いていないと言われている。X年4月結節性紅斑様皮疹と関節痛のため来院。
痛みの評価はVASを用いた。
結節性紅斑様皮疹は右下腿前面でVAS 30。
仕事時、腰・頸部に負担があり。脊柱骨盤部の可動性と生理弯曲が減少傾向。
関節痛は肩部、腰部、頸部、膝部、距腿部にあり、各部ともにVAS 50。
【結果】
皮疹の痛みが軽減する可能性も視野に入れ、神経活動の正常化を目的に腰部頸部の生理弯曲の回復をカイロプラクティックで行った。
施術後、皮疹の痛みはVAS 0、関節痛は各部ともにVAS 0、皮疹は消失した。
【結論】
減少した脊柱生理弯曲が事故の影響を受けた神経組織に干渉した可能性がある。干渉された神経が、生理弯曲の回復で正常化したものと考察する。現在は定期的な施術で、趣味のバスケットボールができている。
本症例ではカイロプラクティックでベーチェット病における結節性紅斑様皮疹と関節炎による疼痛が緩和した可能性がある。
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- カイロプラクティック, ベーチェット病, 統合医療