各種手技療法の違いに関する調査

一般社団法人全日本カイロプラクティック学会
松本吉正 松本清香

【目的】

平成24年8月2日 に(独)国民生活センターから「手技による医業類似行為の危害」の発表があり、国家資格がある手技療法と、国家資格がない手技療法での被害が多く見られ、専門外の施術を施した結果とも考えられる事例もあった。これらの要因には、施術者のモラル的問題の他に手技療法選択の基準が不明確である問題が考える為、各種手技療法の違いや特徴を明確化する為にマトリクス表を作る。

【方法】

参考文献や資料から主な手技療法を抽出し、違いや特徴を調査し、マトリクス表を作成した。調査にはブリタニカ国際大百科事典、大辞林などの辞書と「2008年度版手技療法年鑑」、「文化現象としての癒し」などの書籍、各代表団体や養成機関のホームページやPabMedなどのインターネット媒体を使用した。

【結果】

マトリクス表から多くの事が読み取れる為、いくつか紹介する。国家資格がある手技療法の中には健康保険の療養費を適応するには医師の同意書が必要な手技療法がある事が分かった。PabMedの論文数から多く研究されている手技療法が分かった。国内で国家資格がない手技療法の中には海外では国家資格がある手技療法がある事が分かった。

【考察】

マトリクス表は一般消費者が手技療法を選択する情報として役立つと考える。各種手技療法は独自性を持つ反面、自然治癒力を引き出すなどの共通性もあり、特性を考慮し、使い分ける事で、相乗効果が期待できる。
国家資格がない手技療法から受ける被害の大多数は教育不足の施術者によると考えられる。それらを見分ける事は困難であり、公的機関による正規教育基準の確定と公的認定制度が必要である。また、被害届の出ている国家資格がある手技療法ではモラルを含む教育課程の見直しが必要と考えられる。

【結語】

マトリクス表から各手技療法の特徴は推察できるが、表の療法はあくまでも一部である為、今後の更なる調査が望まれる。
日本の一部の柔道整復師養成機関において、カイロプラクティックを教授されていた。

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