柔道整復師養成機関においてのカイロプラクティック教授状況

一般社団法人 全日本カイロプラクティック学会
大槻佳広 森田全紀 小山尚

【目的】

日本ではカイロプラクティックは国家資格でなく、健康保険(療養費払いも含む)適応外である。しかし、カイロプラクティックの臨床において、利用者から接骨院でカイロプラクティックを受け、健康保険が使えたとの報告を受けることがある。このことからカイロプラクティックを教授している国家資格者養成機関があるのではないかと考え、柔道整復師養成機関において、カイロプラクティックが教授されている現状を調査する。

【方法】

今回の調査研究では、日本の(における?)カイロプラクティック以外の他の手技療法の例として、柔道整復をとりあげた。調査期間2014年5月から11月。調査対象は、全国の柔道整復師養成機関(大学12校・専門学校91校)。調査項目は柔道整復師養成機関、各自管理運営している各養成機関のWebサイト上で公知されているカイロプラクティックの授業科目の状況・カイロプラクティックと柔道整復は異なるものと表記されているかを調査した。

【結果】

大学12校全校ではカイロプラクティックの授業がなく、専門学校91校のうち12校では授業があることがわかった(うち1校は海外研修)。全校のうち9校では柔道整復とカイロプラクティックとでは異なることが明記されていた。

【考察】

世界保健機関ではカイロプラクティックと柔道整復は異なるものと表記されているが、先進的に統合医療を取り入れるという観点から、一部の柔道整復師養成機関ではカイロプラクティックを教授しているとも考えられる。しかし日本国内において柔道整復は法整備されているにも関わらず、柔道整復師養成機関で何故、法整備をなされていないカイロプラクティックを教授しているか、他の療法の教授状況等も含めた更なる調査研究が必要である。

【結語】

日本の一部の柔道整復師養成機関において、カイロプラクティックを教授されていた。

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